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ものぐさパズドラーの戯言

ログインは毎日、スクリーンショットはさっぱり載せない、ものぐさなパズドラーが綴る文字だらけのブログ。基本日記です。

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<Return of the Obra Dinn>ネタバレ&考察タイム11【第10章】
今日から3連休です!あと1時間弱で今日終わるけど!
来週は飛び石連休なのですが、多分そんなに仕事ないし有休入れようかなと思ってたら、その日にわたくしがいないといけない会議を入れられてしまった……orz
やっぱり計画として先に入れておかないと、思い付きで休むのは上手くいかないなぁ(><)

それはさておき。
今回は『Return of the Obra Dinn』第10章を、ネタバレガツガツでレポしますよ。
本編の振り返りとしては、今回がラストです!

続きに納めますので、見る時は細心の注意を払ってくださいまし。
一度クリアしてからの閲覧を、強くお勧めします。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
うし、解禁!(`・ω・´)=3 フンスッ

目次はこちらー。

  1. ガッツリハマってしまったぁよ(ネタバレなしレポ)
  2. ネタバレレポの始まり
    1. 特定に苦戦した人物
    2. 特定できてスッキリした人物
    3. クリアに要求されるスキル
  3. オブラ・ディン号の足取り
    1. 第1章 崩れた積荷
    2. 第2章 死に至る病
    3. 第3章 殺人
    4. 第4章 出現
    5. 第5章 呪われた獲物
    6. 第6章 海の兵たち
    7. 第7章 破滅
    8. 第8章 取引
    9. 第9章 脱出
    10. 第10章 終幕
      1. ①ストーリー
      2. ②謎解き
      3. ③考察
  4. 全体の考察・残された謎
    1. 『メメント・モーテム』とヘンリー・エバンズ(ここから先次回以降)
    2. 『取引』とオブラ・ディン号の末路
    3. 貝殻を取り巻いたモノたち
    4. 損害査定書
    5. 考察サイトで拝見した興味深い説
    6. 小ネタ集

※更新したら、リンクを追加します。
また、書きたい事を思いついたら、随時項目を追加します。
なお、章の下にある見出しはその章の記事にだけ載せ、別の記事では畳みます。



第10章 終幕


①ストーリー


とうとう乗員が4名だけとなってしまった、オブラ・ディン号。
ウィリアム・ホスカット氏、ヘンリー・ブレナン氏、ルイス・ウォーカー氏は、結託して船長に反旗を翻します。

船長室のドアを斧で蹴破ろうとするウィリアム氏でしたが、ドアを開けた船長に銃弾を撃ち込まれて死亡。
この時、ウィリアム氏は『力尽くで貝殻を頂く』と喋っており、これがプレイヤーの初めて耳にする貝殻の情報になります。


その後、ブレナン氏が船長室へ押し入り、貝殻を探して室内を漁ります。
船長は『貝殻は海の中だ』と告げますが、信用しなかったブレナン氏は槍で船長を襲撃。
しかし、船長の手にしたナイフによって、逆に喉を掻き切られてしまいます。

一方、別ルートで船長室へ潜入したのがウォーカー氏。
背後から船長を襲撃しますが、脇腹に刺さったナイフの一撃は致命傷にならず、逆にブレナン氏が持っていた槍に殴られて死んでしまいました。
ちなみに、この残留思念の序盤で、喉を切られたブレナン氏の声がするんですよね……うへぇ、聞いてるだけで痛い。


こうして、一人残された船長、ロバート・ウィッテレル氏。
客室のベッドに安置されているアビゲイルさんの亡骸の傍らに座り、懺悔を口にした彼は、銃口を自分に向け、手にした銃の引き金を引きます。
それをもって、オブラ・ディン号の悪夢と自らの人生に終止符を打ったのでした。



②謎解き


正直ここはゲームにおける冒頭、いわゆるチュートリアルも含まれるので、簡単なものが多め。
船長とウィリアム氏は、この章だけですんなり身元特定に至りますんでね。
一方、冒頭で死因はあっさりと出ながら、なかなか身元の決定打が出ずズルズル行くのが、ブレナン氏とウォーカー氏でしょう。
第9章までの解説で二人の身元特定に至る要素は書いてきましたが、ここで全員分ざっくりまとめます。

  • 船長:第10章-1で自分を『船長』と言っている。スケッチが鮮明になる人物第一号。
  • ウィリアム氏:第10章-4の船長の独白で、銃殺&アビゲイルさんのお兄さんから身元特定可。
  • ブレナン氏:第9章-6でウィリアム氏に『ブレナン!』と呼ばれ、耳元に手を当てている。
  • ウォーカー氏:現実世界に唯一残された、44番のハンモック。



③考察


先程も書きましたが、ゲーム上ではここが冒頭なので、我々は反乱によって次々と死んでいく船乗りたちの姿をただ傍観しながら、ゲームの進め方について手ほどきを受ける事になります。
なので、正直疑問を感じる暇もなく次へ進んで、結末も見えているのでさして振り返る事もなさそうに見えるんですよね。

ただ、全体が明らかになった上で改めてこの章を見直してみると、疑問符の浮かぶ事がちょいちょい。


まず、反乱のトリガーは何だったのか?
そもそも、あの時点で4人しか乗組員いなかった訳ですよ。
肩に槍、脇腹にナイフが刺さってもきっちり相手を死に至らしめた船長、あれだけ戦闘に長けているのであれば、反乱を起こすには遅きに失したとしか言えません。
あれに勝つには数の暴力でねじ伏せるしかない。

改めて最初から手記を読むと、第9章のラストは士官候補生のトーマス・ランケ氏の死で終わっており、そこからいきなり反乱の口火が切られているんです。
展開が急すぎてパニック。


しかも、3人は船長が貝殻を持っていると踏んでいました。
この局面で、彼らが貝殻を求める理由は何なのか?
ヴィアテル氏じゃあるまいし、貝殻を売ってお金にするプランはさすがに無いと思う。

怪物の襲撃は第8章で人魚が海へ帰ったので、再来は有り得ない。
しかも、貝殻は(第8章のポール・モス氏のセリフ通りならば)船長が2つ海へ捨て、1つは人魚に持たせたので、もうオブラ・ディン号には無いのですよ。
つまり、船長のセリフは(モス氏の発言を信用する前提で)正しかった事になり、反乱は全くもって無意味だったのです。

となると、3人が船長への信頼を一切失ってしまう、『何か』があったのでしょう。
その要因になりそうなのは人魚がいなくなっている事ですが、これは船尾倉庫に鍵が掛かっているので、現場を見た乗組員が喋る以外に彼らがその事実を知る術はは無い。


次に考えられるのは、三等航海士マーティン・ペロット氏の不在でしょうか。
マーティン氏の死体は船尾倉庫に残されたままで、死んだ事を知っている乗組員も数少ない。
死んだと伝えるにしても、人魚を逃がそうとしてやられた、とはまず言えない。
人魚は貴重なイングランド国王へのお土産ですからね、逆に逃がした事を責められるでしょう。

気付いたらいない→救命ボートには乗っていなかった→じゃあ何処に行った?

マーティン氏は船内のトップ4ですし、責任感のある方ですからね。何も言わず忽然と姿を消した事を不審に思わない方がおかしい。

ただ、この説最大の欠点は、貝殻と全く結びつかない事。
マーティン氏の不在に貝殻が関与していると、何も知らない3人が考えるとは思いにくいですね。
むしろ、船長がマーティン氏がいない事に対して特に言及せず、その態度に不信感を抱く方が説得力が高い。


ならば、彼らが反乱を起こした、貝殻に絡む動機とは何なのか?
『貝殻はとても危険』だと通訳から聞かされていた事を踏まえれば、その危険を取り除く事が目的だとするのが理にかなっています。
では、彼らの身に降りかかった『危険』とは……?

わたくし、これについてある仮説を立てているのですが、ここで語るにはちょっと長くなるので、別の記事に譲ります。
ここまででも結構長く使ってますのでね。



次に、船長は何で服を着ていなかったのか?
いくら船長室にいたとはいえ、上半身裸という姿は余りにもラフ過ぎる。
ましてや、夜で睡眠を取る直前ならばいざ知らず、外が明るかったので一応『仕事中』の時間だと思います。余りにも不自然。

可能性の1つとして考えられるのは、服を着たまま、もしくは半裸で水の中に潜った後?
これだったら、シチュエーションとして分かる。
ただし、何故そんな事をしたのかまでは分からない。
これは……多分、一生解けない謎かもしれませんねぇ。


それから、立場から考えるとちょっと不可解なのが、ブレナン氏がウィリアム氏に対して『蹴破れ!』って言ったセリフ。
まー、士官と比べて甲板員が目上の人に敬語使うイメージはそんなにないんですが、かといって仮にも上官ですからね。命令形で喋るのはちょっと変でしょう。
船長に対してはまだ分かるんですよ、反乱決め込んでる相手に敬語もへったくれもないですからね。
ただ、英語には日本語で言うところの敬語の概念がそんなに無いので、日本語にした時に何処まで丁寧にするのかは、翻訳者さんの匙加減だったのかもしれない。



さて、オブラ・ディン号の旅路は船長の自殺を持って終わります。
死ぬ前、船長はアビゲイルさんへの呼び掛けで、ウィリアム氏を『殺してしまった』と発言しました。
このセリフからして、船長は少なくともウィリアム氏に関しては、最初から殺すつもりではなかったようです。

もし、確実にウィリアム氏を死に至らしめたかったのならば、銃を向けて何かしら脅すとか、駆け引きをした上で射殺したと思うんですよ。
船長室に閉じこもっていたところを、自分で扉を開けてすぐさま銃を発砲した訳ですから、あれは威嚇射撃、もしくは当たったとしても肩とかで済ませるつもりだったんじゃなかろうかと。

ところが、弾の当たり所が悪くウィリアム氏は死んでしまった。
第10章-2になった途端、船長はブレナン氏の侵入を許し、声の勢いも弱まっていますので、そんなつもりじゃなかったのに……という動揺からなのではないかな、と推測できます。



あと、この章というか船を降りた後なんですが、損害査定書において特徴的なのが、船長の遺産がイングランド国王に没収されている事。
これをされているのは、船長のみです。
あのゲスの極みニコルズ氏ですら、100ポンド(約70万~80万円)の罰金止まりだというのに!
いくらオブラ・ディン号の責任者とはいえ、何故そんな重い罰を負わされたのか?

実はこれ、自殺が原因らしいのですよ。
というのも、1800年代当時、イングランドにおいて自殺(自己殺害)は犯罪とされていました。
その歴史はかなり古く、7世紀には既に自殺者に対するキリスト教式葬儀と埋葬を禁止。
10世紀半ばには自殺に対する法律が定められ、13世紀の法解釈本によれば、有罪になると土地財産を没収される事が明記されているそうです。


他にも、損害査定書において船長の犯罪行為に「乗組員の殺害(4)」となっているのですが、実際に船長が手を下したのはウィリアム氏、ブレナン氏、ウォーカー氏の3名のみ。
じゃあ、残り一人誰やねん?という話なんですが、これは船長自身。
自分で自分を殺したので、トータル4人殺害という事なんでしょうね。

この書き方がまさに、自殺を犯罪と見なす根拠を端的に表しています。
キリスト教の聖書には『汝殺すなかれ』という戒命があり、他に自殺の権利を認める記述が無い事から、これは自分自身にも該当すると解釈すべきだ、という考え方が古くからありました。

更に、13世紀には自殺を徹底的に批判するキリスト教神学本が発売され、これによってキリスト教における自殺は殺人以上の大罪だ、という烙印が押されたのです。
ちなみに、例外として心神喪失による自殺と認められれば無罪になりました。


イギリスは、他国と比べて早い時期に自殺についてあからさまに語られていたり、自殺についての論文が多く発表されて論争が巻き起こっていたりしたらしいです。
なので、自殺が『イギリス病』と呼ばれたり、イギリスが『自殺大国』と呼ばれたりしていたのだとか。

オブラ・ディン号の時代は、まさにこの末期と言ってもいい頃で、19世紀後半あたりから実質処罰が与えられなくなり、1961年に正式に廃止されました。
つまり、たった60年前までイギリスにおける自殺は犯罪だったのです、処罰は無くても……;


こうなると可哀想なのが、船長の遺族。
アビゲイルさんが同伴した事から子供はおらず、遺族は船長の親兄弟と考えられます。
まー、子供がそれなりに成長していてイングランドに残っても生活できる歳だった、という可能性も捨てきれないんですが、だとしたらアビゲイルさんがそういう子供を持っている母親っぽくないなと。

船長が20年ダール氏とパートナーを組んでる事から、少なくとも船長は30代~40代くらいと思われ、友人のウィリアム氏も同じ年齢だと考えると、アビゲイルさんは間違いなく年下。
独り立ちできる子供がいるとは、ちょっと考えにくいですね。

デカい貿易やるって出港したのに行方不明になり、自殺していたからって4年後にイングランド国王に遺産没収されるんだぜ……?
一縷の望みを絶たれた精神的ショックに加えて、骨の回収すらもできなかった上に、合法的に土地財産を奪われる。
想像しただけで恐ろしいわ……(><)


ちなみに、オブラ・ディン号が出港する数年前である18世紀末ごろには、自殺で裁判に掛けられたうち、97%以上が無罪になっていたそうです。
つまり、船長のように有罪判決が下ったのは残り3%未満という、完全なる希少案件。

うーん、船長が心神喪失でなかったのは事実とはいえ、結果的にそれを認定したのは保険調査官である主人公。
心神喪失にせず遺産没収を考慮してくれなかった事を、船長の遺族から恨まれてもしょうがないのぉ。


なお、上記で挙げたもろもろの情報は、近世イングランドにおける初期自殺論の研究文から参照させていただきました。
何処かに情報が無いかなぁとググったところ、まさにオブラ・ディン号の時代近辺を焦点にされたPDFが見つかりまして、合わせて勉強もさせていただきました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

こういう時のインターネットは偉大。
コミュニケーションとしてのインターネットは……不必要につながるという側面を考えると、どうなんだろうな……(え)



今回はここまで!
ボリューム少ないから短く済むかと思いきや、予想外に盛り上がりましたねぇ。

次回はいよいよ、全体の考察および残された謎に突入!
実はレポを遅らせていた理由の1つは、考えてる最中にわたくしの中で色んな可能性が結構ポンポン浮かんでしまって、記事にするには余りにもまとまりが無さすぎる状態だったからです。
ある程度形にはして出すつもりですが、正直『これはこういう事だ!』という確固たる持論を持って出す訳ではありません。
時の経過に伴って主張が変わる可能性はある、それだけご了承の上、以降の記事をお楽しみいただけたらと思います。

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